「quiet quitting」の意味は?
今回は、2022年にTikTokから拡散した言葉で、最近世界中に広まってきている「quiet quitting」という概念について紹介します。
直訳すると「静かな退職」ということなのですが、’不満を大きく騒ぎ立てず黙って退職すること’ ではありません。
この「quiet quitting」、実は、仕事を辞めるのではなく、
’会社に在籍しながら、自分の仕事をこなすだけの最低限の労力と時間しか割かず、特に出世も賃金アップも求めずに、緩く頑張りすぎずに働き続けること’
これを「quiet quitting(クワイエット・クイッティング)」と言います。
また、このような働き方をする人は「quiet quitter」と呼ばれますが、必ずしもサボっていたり、だらけていたり、また能力が低いわけではありません。
一般的に、お金、地位や名声、見栄を張るためのモノへの興味が低く、そして、今の稼ぎで十分と捉える傾向があります。
ですので、そこに時間や労力をかけるのではなく、仕事以外に自分の人生の価値を見出したり、人生を有意義に過ごしたいと考える特徴があります。
概念が分かったところで、使い方を見ていきましょう!
「quiet quitting」の使い方は?
【例1】
Quiet quitting went viral on social media in 2022, and has been one of the buzzwords in the corporate world since then.
(クワイエット・クイッティングは2022年にソーシャルメディアでバズり、それ以来企業世界では専門的流行語の一つになっている。)
*「go viral」:インターネットや口コミで「急激に拡散する」「バズる」の意。
【例2】<最近ぴったり定時に退社する同僚に>
A : See you tomorrow!
(おつかれさま、また明日ね!)
B : Hey, wait! Have you got a minute?
(ちょっと待って!少しいいかい?)
A : Sure. What happened?
(もちろん、どうしたの?)
B : That’s my line! You look like another person these days. You used to work overtime like crazy, but you get off work on time every day, so…
(どうしたってこっちのセリフだよ!お前最近別人みたいよ。いつもめっちゃ残業してたのに、毎日定時に帰るからさ…)
A : Ah, just between us, I’m not looking for promotion or pay raise any more. I now have priorities outside of work.
(あぁ、ここだけの話、もう昇格とか昇給とか求めてないんよ。今は仕事外に優先事があってね。)
B : That’s why. So basically, you’re quiet quitting.
(それでか。てことは、クワイエット・クイッティングしてるってことね。)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この「quiet quitting」、実際のところ、SNSで注目を集め出したのが最近と言うだけであり、こういう現象は、昔から一定数存在してきたとは思います。
会社目線では、どうしても嬉しくない存在と思われてしまいますが、そのようにさせてしまう会社にも何らかの原因があるかもしれませんね。
しかし、近年このような概念が注目を集めるというのは、やはり、これまでのような人間の「エゴ」や「欲」を大前提にした資本主義、物質主義や消費主義といったものに、いよいよ幸福を見いだせない人が増えてきたということなのでしょうか。
「quiet quitting」が正しい、間違っているということはありません。
大切なのは、自分の頭で良く考え、自分の価値観をきちんと理解することだと思います。
それではこの辺で失礼します。
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