「run a tight ship」の意味は?
今回は、ワンランク上の英語表現から「run a tight ship」を紹介していきます。学校の英語教育や検定英語などではまずお目に掛かることはありませんが、リアル英語、特にビジネスシーンではそこそこ使われている表現です。早速見ていきましょう!
このイディオムはとても簡単な単語で構成されていますが、直訳してみると「きつい船を走る」(?)みたいな意味不明な直訳になってしまいます。実は、「run」はここでは「(乗り物を)走らせる」や「(組織を)経営/運営する」という他動詞、「tight」は「固く結んだ」「(ロープなど)ピンと張った」という意味で使われており、本当の直訳は「ピンと張った船を走らせる」なのですが、つまりどういうことかと言うとこちら。
「(組織など)しっかりした管理をする」
「(会社など)きちんと経営をおこなう」
ちょっと難しいですね?
元々は船乗り起源のイディオムで、「tight ship」とは「ロープに弛みが起こらないようきちんとロープを張り続ける船」言わば「統制の取れた船」という意味で、そこから転じて「統制の取れた/きちんと管理された組織」を表すようになったようです。
それでは使い方を見ていきましょう!
「run a tight ship」の使い方は?
【例1】<新入社員研修での社長の一言>
I’m happy to have you folks join our company. First things first, we run a tight ship as a restaurant operator, because our success depends on consistency and adherence to our SOPs.
(皆さんに我が社に入社頂いてとても嬉しく思います。まずお伝えしたいのは、我が社はレストランのオペレーターとしてしっかり管理運営しています、なぜなら我々の成功は品質・サービスの一貫性とSOP順守に掛かっているからです。)
*「adherence」:「固執」「執着」の意。
*「SOP」の詳細は ⇒ ⇒こちらをクリック!
【例2】
A : It’s only a matter of time before the company goes bankrupt.
(その会社が倒産するのも時間の問題だな。)
B : They say they are struggling because of the economic downturn.
(景気後退のせいで経営が苦しいっていってるよね。)
A : I don’t think so. It’s just that the management team isn’t runnung a tight ship at all.
(そうじゃないと思うな。ただ、経営陣がきちんと会社をコントロールしていないだけだよ。)
B : Really? It sounds like a man-made disaster, then.
(ほんとに?それじゃ、なんか人災みたいだね。)
*「a matter of time」:「時間の問題」の意。特に「It’s a matter of time before S+V」で「SがVするのも時間の問題だ」を表す。
*「go bankrupt」:「破産する」「倒産する」の意。
*「man-made disaster」:「人災」の意。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は単語は簡単ながらも、直訳からは中々本来の意味にたどり着き辛い表現だったと思います。ワンランク上の英語を目指す方、特にビジネスシーンで英語を使う方は是非押さえておいていただきたいイディオムでした。
ちなみに登場頻度は殆どありませんが、「loose ship」とすれば、「tight ship」とは逆に統制のない組織を表すことが出来るということも覚えておくとよいでしょう。
それではこの辺で失礼します!また次回。
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