「economic decision」の意味と使い方を分かりやすく解説!リアル英語

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「economic decision」の意味は?

今回は、イディオムとして定着しているものではありませんが、「economic decision」という言い回し(?)を紹介していきます。主にビジネスシーンで耳にする言葉です。

まずは単語を見てみると、「economic」は「経済の」「経済的な」、「decision」は「決心」「決定」を表し、全体の直訳としては「経済的な決定」ですね。日本語ではこのような言葉はあまり耳にすることが無いので分かりづらいと思いますが、簡単に言うと、

お金儲けを優先した決定

安上がりに済ませる目的での判断

を意味します。

本来、正しい行動はこうあるべきという状況で、それをしてしまうとお金が掛かってしまう、経済的な損失が生じるという場合に、(不本意ながら/妥協して)安上がりな方法を選択することです。

下で実際の使い方を見て、より理解を深めていきましょう。

「economic decision」の使い方は?

【例1】

A : You closed all the restaurants and retrained your staff for three days. Why did you make such a drastic move? That means you lost three days’ worth of revenue, right?
(あなたは全てのレストランを閉めてスタッフに3日間の再トレーニングを行いましたね。なぜそのような大胆な行動を取ったのですか?3日分の収益を失うということですよね?)

B : It wasn’t an economic decision. I simply didn’t want to compromise on the food quality and customer service, which I felt had been diluted following our rapid business expansion.
(利益を優先した決定ではなかったんですよ。私はただ商品の品質とサービスに妥協はしたくなかったんです、急激に店舗展開したことから落ちてしまっていたと感じてたので。)

*「revenue」:「収益」の意。

*「compromise」の詳細は ⇒ ⇒こちらをクリック!

*「dilute」:「~を希釈する」「~を薄める」の意。ここでは、店舗数が少ない時には質が良かったものが、店舗数が多くなるにつれて従業員育成が追い付かず質が下がってしまうことを意味する。

【例2】

A : I think we sometimes need to do it as a management team to set the tone for the entire organization.
(時に我々経営陣は、組織全体の方向付けのためにそれをする必要があると思います。)

B : Easier said than done! How much money do you think it’ll cost to do such a thing!?
(言うのは簡単だ!そんなことをするのにいくら金が掛かると思っているんだ!?)

A : I know, but not every decision should be economic.
(分かりますが、全ての決定が利益中心の考えであるべきではありません。)

*「set the tone」の詳細は ⇒ ⇒こちらをクリック!

*「Easier said than done」:「言うのは行うより簡単である」を表す定番フレーズ。

まとめ

いかがでしたでしょうか?【例2】は「economic」と「decision」を分けて叙述用法的に使用した例でした。

ここからは余談ですので、時間がある方のみ見て頂ければと思いますが、一つビジネス界で有名な「economic decision」を選択せずに会社を見事好転させた方のお話を簡単にさせて頂きます。

アメリカスターバックスの元CEOのハワード・シュルツ氏は2000年に会社を去った後、2008年に再度CEOとしてスターバックスを率いることとなりました。当時の経営はどん底と言える状況であり、営業自体も効率や回転率を最重視した、シュルツ氏が考えるスターバックスの理想像とは程遠いものになっていました。
そこでシュルツ氏は過去に例のないようなことを実行したのです。そのうちの一つを紹介すると、売上げを重要視する投資家からの強い反対があったにも関わらず、当時のアメリカのスターバックス7,100店舗を一斉に閉店、バリスタが完璧なエスプレッソを作れるように再教育したのです。
これは、シュルツ氏の商品に妥協はしてはいけないという従業員への強いメッセージとなり、従業員の士気やスターバックスへの愛着や誇りを一気に高めることに繋がったのです。その後の復活劇は言うまでもありません。
普通であれば、売上げや利益の損失、それ以上にウォール街の株主たちからの批判を恐れ、このような行動をとることは難しいと思いますが、シュルツ氏のスターバックスを復活させたいという強い思いと愛着、そして倫理観がそうさせたのでしょう。
ちなみに彼は2018年にも8,000店舗を一時閉店し、「mandatory racial bias training」(人種差別についての必須トレーニング)を行っていますね。

長くなってしまいましたが、この「economic decision」のニュアンスを少しでも感じてもらえれば幸いです。カジュアルな場面でも使うことができますので、是非覚えておいてください!

それではまた!

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