「throw someone in at the deep end」の意味は?
今回は「throw someone in at the deep end」というイディオムを紹介していきます。少し長いので取っつきにくいですが、面白い表現ですので是非最後まで読んで頂けたらと思います。それでは早速見ていきましょう!
イディオムを分解して見てみると、「throw someone in」は「(人)を投げ入れる」、「deep end」は「深い端」、つまりここではプールの先端の足が付かないような「一番深いところ」を表し、全体を直訳すると、「足が付かないような深いところに(人)を投げ入れる」というちょっと怖い意味なります。そして、これが一体どのようなニュアンスで使われるのかと言うとこんな感じ。
「(何の準備や指導なく)~に難しいことをさせる」
「~を急に困難な状況に追いこむ」
イメージとしては、まともに泳げない子をいきなりプールの深いところに蹴り落として、四の五の言わずに泳げ!と言ってる感じでしょうか。恐ろしいですね…
物理的に使うことももちろんできますが、大抵は比喩表現として、特に仕事やトレーニング等に絡んで使われることが多いように感じます。
意味が分かったところで、使い方も見ていきましょう!
「throw someone in at the deep end」の使い方は?
【例1】
I don’t understand what our coach is thinking. He’s throwing that newbie in at the deep end because he’s making him follow the same training plan as ours, which seems quite unrealistic.
(コーチが何を考えているか分からないな。あの新入りに俺たちと同じトレーニングメニューをさせるってかなり非現実的だから、かなり難しいことさせてるよ。)
*「newbie」:「新入り」「新人」の意。
【例2】
A : Who is your new boss?
(君の新しい上司は誰?)
B : Mr. Tanaka. I heard he’s one of those so-called bosses from hell.
(田中さんです。彼はいわゆる、よくいる理不尽上司だって聞いたんですけど。)
A : He’s very tough to work with. He threw me in at the deep end from the first day, he’d always abuse me verbally, and he’d ruthlessly push me to my limits every single day.
(彼と一緒に働くのはかなりきついよ。初日から右も左も分からない中で難しい仕事させられるし、いつも暴言吐かれて、毎日容赦なく限界まで追い込まれたもんだ。)
B : I’m already scared…
(もうすでに怖いんですけど…)
A : In retrospect, I think I had horrible depression at that time, hahaha!
(今思えば、俺は当時は酷い鬱病だったと思うよ。ははは!)
*「one of those ~」:「よくいる~」「よくある~」の意。原義は「それらの~の一つ(一人)」。
*「boss from hell」:「理不尽上司」の意。直訳は「地獄から来た上司」。
*「abuse someone verbally」:「(人)に暴言を吐く」「(人)に悪口を浴びせる」の意。
*「push someone to one’s limits」:「(人)を極限まで追い込む」「(人)を限界まで無理させる」の意。
*「in retrospect」:「後になって思えば」「思い返せば」の意。「retrospect」は「回想」「回顧」を表す。
【例3】
A : I don’t think I can stand it any more. I feel like I’ve been thrown in at the deep end by my boss…
(これ以上耐えられそうにないや。上司にいきなり困難な状況に追い込まれてる感じでさ。)
B : What happened?
(どうしたの?)
A : He constantly orders me around and throws unrealistically challenging tasks at me without any instructions or guidance.
(あいつ、あれこれ命令してくるし、何の指示や指導なく無理みたいな仕事投げて来るし。)
B : Don’t be so pessimistic. If you get past the first three months, the rest is going to be easy.
(そう悲観的になるなって。最初の3か月過ぎれば、あとは楽になるよ。)
*「stand」:「~に耐える」「~に我慢する」の意。
*「order someone around」:「~にあれこれ命令する」「~をこき使う」の意。
*「get past」:「~を過ぎる」「~を乗り越える」「~を克服する」の意。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少し長いイディオムですが、イメージが出来れば覚えるのは簡単ですね。長くて覚えるのがめんどくさいなぁというイディオムは、今回のようにイメージから入ると覚えやすくなりますよ。
私が社会人駆け出しの頃、理不尽上司の下で働いていた時にこういう表現を知っていたらなぁと思う表現でした(笑)。
ちなみに、「drop someone into the deep end」のように言うことも可能ですので頭の片隅に入れておきましょう。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
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