「play the race card」の意味は?
今回は、「play the race card」というイディオムを紹介していきます。アメリカなどの他民族国家では日常的に使われる表現なので、海外に渡航することが多い方は絶対に押さえておきたい表現です。それでは見ていきましょう!
まずは単語を確認、「play」は「遊ぶ」という意味で有名な単語ですが、ここでは他動詞「(ゲームなどで札やカード)を出す」を、「race」は「人種」、「card」は「カード」「(トランプなどの)札」を意味するので、イディオム全体の直訳としては「人種のカードを出す」となります。
何となく分かった方もいらっしゃると思いますが、これが実際にどういう意味で使われるのかと言うとこんなニュアンスになります。
「人種を切り札に使う」
「人種問題を引き合いに出す」
つまり、世の中で起こっている人種差別・人種問題に話を置き換え、同情を誘おうとしたり議論などを有利に進めようとする行為のことですね。
意味が分かったところで使い方も見ていきましょう!
「play the race card」の使い方は?
【例1】
A : Sir, please don’t cut in line. People are waiting.
(すみません、横入りしないでください。みんな並んでいるんですよ。)
B : Are you saying that because I’m black!?
(俺が黒人だから言ってるのか!?)
A : No! I’m just saying you have to follow the rules! Don’t play the race card!
(違います!ルールを守らなくてはならないと言っているんです!人種を持ち出さないでください!)
*「cut in line」:「列に割り込む」の意。
【例2】<高級レストランにて>
A : Bring me your manager!
(マネージャーを呼べ!)
B : (Manager comes) Is there a problem?
((マネージャー登場)何かございましたか?)
A : Why did our waiter seat us at this table!? It’s the furthest from the window! Those white people who came in after us were shown to the best tables by the window. That’s not fair!
(なんでウェイターは我々をこの席に座らせたんだ!?窓から一番遠いじゃないか!俺たちより後に来たあっちの白人たちは窓際の最高のテーブルに案内されたな。不公平だぞ!)
B : I assure you that’s not the case.
(そういうことではないと保証します。)
A : Are you giving these tables to Asians on purpose!? And you’re charging the same price now?
(お前らはわざとアジア人をこういう席に通してるんだろ!?そんで同じ金額を請求するって?)
B : Sir, you’re playing the race card right now. Please calm down…
(人種の話は無しですよ。落ち着いてください…)
まとめ
いかがでしたでしょうか?単民族国家の日本ではまず存在しない表現ですが、アメリカに行くと本当によくお目に掛かる表現でした。
ちなみに、最近日本では外国人が増え、それと同時に外国人であることを引き合いに出して権利を主張する輩も多いと聞きます。こんな行為を「play the foreigner card」(外国人カードを出す)と言いますので、併せて押さえておくと良いかもしれませんね。
その他にも様々なカードが存在しますので、私が聞いたことがある表現を挙げておきます。
play the gender card:性別カードを出す(歳よりだから仕方ないと思わせる行為)
play the age card:年齢カードを出す(男/女だから仕方ないと思わせる行為)
play the newbie card:新人(新米)カードを出す(新人だから仕方ないと思わせる行為)
play the victim card:被害者カードを出す(被害者だから仕方ないと思わせる行為)
play the ignorance card:無知カードを出す(何も知らないから仕方ないと思わせる行為)
play the disability card:障害者カードを出す(体に障害があるから仕方ないと思わせる行為)
これ以外にも様々なカードがありそうですね。ぜひ日常の中で見つけてみてください。
それではこの辺で失礼します!また次回!
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